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今日の公式ブログで、親御さんの行動について書きました。このブログをご覧になっている方には、生徒対応に苦慮されている先生もいることでしょう。また問題行動を起こす子供に対して苦労している保護者の方もいるでしょう。そこでこんな昔話を・・・。
前職にて、繰り返し何度も問題行動を起こす生徒がいました。学校の入っているビルの入り口に居座って、他のテナントの方から苦情が来たり、コンビニの入り口で当たり前のようにタバコを吸っていたり(もちろん未成年です)、先生に対する暴言なども酷いものがありました。
最も酷かったと感じるのが、卒業に向けての最後の単位認定試験を受けた際、その帰りのバスの中でタバコを吸っていたことですね。この時私は引率をしていな かったのですが、引率していた当時の校長がかなり激昂したようなのです。それでも本人は悪びれる様子も無く、「こんな学校に来るんじゃなかった」とのこ と。
・・・この時はさすがに「この生徒を卒業させていいのだろうか」ということまで、職員の中で議論をしたものです。
もちろん数々の問題行動に対して、停学などの懲罰的措置は行いました。しかしそのようなもので本人の行動が変わるはずもありません。
さてこの時の親御さんの態度はどうだったのか。それは「問題を起こすことは申し訳ない。しかしこの子にもいいところがあるんです。」というものでした。
確かにこのように、子供の立場を擁護することも必要ではあります。しかしそれは他の生徒でも当てはまること。学校で真面目に勉強をしている生徒からしたら、親御さんの言葉は何の力も持ちません。
結局、この状況は「学校」にも「その生徒」にも、お互いが不幸になる結果しか生まなかったのです。私はこの時の教訓から、入塾前の体験学習を行うように決めたのですね。
しかしこの生徒でも、荒れた後でも一度、心を開きかけたことがあります。それがセンター試験の出願の時。
普段から先生の指導をまともに受けようとしないので、その生徒を含めた数人のグループだけ、出願締め切り日にようやく願書を書いたのです。そこから出願しようにもどうしていいか分からず、夕方になってから学校にそのグループが現れたのですね。
その時学校では職員会議を行っていました。他の先生は会議があるため「これから郵便局に行って○○をしなさい」みたいに言っていたのですが、私はそれではどうにもならないと直感したのです。
そこで私だけ会議を抜け出し、そのグループを引き連れて郵便局まで行きました。その場で書類に不備が無いか確認し、ちゃんと受付時間までに手続きを済ませることができたのです。
「ギリギリだったけど、先生たちを頼ってくれて本当に良かった。ちゃんと出願できて本当に良かった。」と喜んでいる私を見て、いつもの”先生って邪魔なやつ”みたいな目が薄れてくれたのをはっきりと感じました。
問題行動を起こす生徒も、「またこいつか」という反応は敏感に察知し、「どうせ自分たちが悪者になるんだ」と荒んでいきます。その分、”認めてもらいた い””他の生徒と同じように接してもらいたい””悪いことをした時には叱ってもらいたい”という気持ちが、どんどんと強くなっていくのです。
しかし先生が「またこいつか」という反応をすることで、生徒のその気持ちがどんどん悪い方向に加速させてしまうのですね。
私はこの生徒たちを一方的に責める気にはなれません。確かに問題行動は数多くあり、中にはここでは書けないような違法行為に手を染めることもありました。 けれどももしかしたら、何かのタイミングでしっかりと受け止めてあげ、その子を認めてあげられたならば、救うことができたかもしれないのです。
最終的にこの生徒は、卒業証書は手にしたものの、卒業式には参加をさせませんでした。だからこの生徒は「高校の卒業式」というものを経験せずに、大人に なっていくんですよね。この子にとっての卒業証書は一体どんな意味があるのか・・・そんなことを考えると、本当に残念な気持ちになってしまいます。
私がこの塾で指導を行う時に、できれば問題行動を起こすような生徒にはなって欲しくない、という思いもあります。また、問題行動で迷惑を受ける生徒を増や したくない、という思いもあります。上の経験を元にすると、私一人では”きっかけ”を作ることができたとしても、それ以上の改善までしようとすると「学 校」「保護者」と、ちゃんと連携が取れないとどうすることもできません。
そういう意味で、「なんとももどかしい」気になってしまうのですね。
ということで長々と書きましたが、これが何かの役に立ててもらえれば非常にありがたいことだと思います。生徒の問題行動は、何か一つを改善すれば解決するような、そんな単純なものではありません。だから今までの考えに囚われず、いろんな方法を考えてみるべきなのですね。
公式HP → 子は親の姿を写す鏡