わかればきっと楽しくなる!楽しくなればもっとよくわかる!!
2012/04/11
サービスメニューに合格実績を追加しました!
2011/10/03
サービスメニューのページを大幅に変更しました!
2011/08/15
11月高卒認定試験を検討している方はお早めにご相談を!
TOP > わたなべ学習塾 日記 > 企業秘密の一部を
今日はとある受験生が、模擬試験の成績を持ってきてくれました。以前にも書いた通り、模擬試験の結果は今後の指導や、本人の勉強の方針を判断する大切なもの。しかし有効に活用されている先生や学校は、それほど多くは無いと感じています。
私はどんなにはっきりとした帳票であっても、それを生徒に返却をするときには最低でも15分程度は面談をします。それは結果を返すだけでなく、この結果から次の勉強の方針を生徒と共有する必要があると感じているからなのです。
しかしこのようなお話をいくら書いていても、帳票の見方が分からない先生であれば、どうすることもできませんよね。また見方が分かっている先生でも、生徒全員にそれだけの面談をすることが困難な状況があるかも知れませんよね。
そこで今回は、私自身が模試の帳票を返却するときに、どのようなお話をするのかを大まかに書いていこうと思います。しかしこの内容は私が行なっている生徒指導の具体的な方法を公開するものです。ある意味”企業秘密”の一部かもしれません。
とは言え、私が全国の受験生の指導を行うことも出来ませんし、私以上の指導を行なっている方もたくさんいらっしゃると思います。また「この内容を読んだだけでは真似は出来ないだろう」という自負があるのも事実だったりします(笑)
ということで、大雑把ではありますが、その内容をご紹介します!
① 志望校とその判定
模擬試験で記入をする自分の志望校。これについて意外と、本人が明確な意志を持って書いているかどうかは分かりません。「まだ志望先がぼんやりとしているので、とりあえず今回はここで書いておこう」と考えて書いている生徒も少なく無いのです。
また志望校の判定については、以前からも書いている通り「判定自体はあまり重視していません」。判定をうまく使うには、「より良い判定になるためには、あ と何点上乗せするのか」という点に注目するのです。この上乗せする点数をどの科目からひねり出すようにするのかで、これからの勉強方針が決まってくるので す。
② 各科目の分野別得点率
模試の帳票を見たことがある方はよくご存知だと思いますが、模試の結果では各科目の得点だけでなく、どの分野でどれだけの点数が取れたのかを明記してあります。
さてここで重要なのが「『◎』が付いていればいい、『▲』が付いていれば悪い」と単純に判断してはいけないということ。実際に今日の受験生では、塾でやっ た演習問題の結果と、模試の帳票での結果が完全に食い違っているものがありました。だとすると、どこが得意でどこが苦手なのか、ということでなく「まだ実 力が安定していない」と見るのが妥当なのでは無いでしょうか。
また苦手という結果が出ている分野に何かしらの傾向があれば、そこがその生徒の弱点であることが分かります。これは理系科目に限らず、「読解はできるけれ ども文法の整理ができていない」とか「現代史に関係する部分は出来ているが、古代史や古典の内容があやふやである」など、文系科目でも容易にポイントを抽 出することができます。
③ 得点率に合わせた「勉強方法」のアドバイス
例えば数学で、「どの分野もある程度の点数が取れているのに完解できている分野が少ない」という状況があったとしましょう。これは言い換えたら、どの分野 も基礎の部分が出来ているということになりますね。ならば教科書レベルの基礎問題よりも、より入試に近い応用問題にシフトしていくべきだと分かるわけで す。
これが「完解できている分野も多いが、ほとんど点数が無い分野もある」ような状況であれば、それこそその分野が生徒の弱点ということになります。その弱点に合わせた勉強方法をアドバイスするわけですね。
④ 成績推移から分かること
次に見るのが、今までの模擬試験における成績推移。これが比較的安定しているのであれば、その時の模試の結果に即したアドバイスをしても問題はありませ ん。しかし毎回の変動が激しい場合には、その原因を掴み、ボトムアップを目指していかないといけません。変動が激しいならば、得点が高い時の点数を更に上 昇させても、本番の結果が博打的になってしまうだけですからね。まずは低くてもいいので”安定”させることがポイントになってくるはずです。
⑤ 各科目の点数
ここまで見た上で、各科目の点数が何点なのかを確認するのです。この時に「これに傾斜がかかるとどれくらいの点数になるのか」、「センター試験と個別試験 の点数配分はどうなっているのか」、「この模擬試験の母集団はどのような属性なのか」という様々な要素を絡めて判断していきます。その上で「どの科目はこ の分野であと何点上げよう。そのためにはこういった勉強をすればいい」というアドバイスに繋がるわけですね。
おおよその流れとしては以上になります。これらを見てもらったら分かるように、すぐに真似できるものではありませんよね(笑)・・・しかしこのような視点 で模試の帳票を確認していけば、確実に受験指導の質は向上します。その恩恵は全て生徒にいくのですから、やるべきだと感じてもらえますよね。
上に書いたことは、かなりたくさんの内容を含んでいるように見えるかもしれません。しかし私にとってこれが「骨組み」の段階です。生徒と面談をするときに は、これに肉付けをしてお話をするようにしています。この肉付けの部分は・・・さすがに文章でまとめることは出来ないものになってしまいます。
全国の受験生の中でも、帳票を”右から左に”返却されただけ、という人も少なく無いでしょう。もしそうならば、上に書いた内容を参考にして、自分の勉強の方針を立てるようにして下さい。ただ点数と判定を見るだけが、模試の結果では無いですからね!
ということで、一人でも多くの方に役立てるよう、これからもいろんな記事を書いていきたいと思います!
公式HP → 平成27年度以降のセンター試験に向けて