わたなべ学習塾 | 日記 | かわいそうに・・・

とある理系の高２生が、定期考査の化学の質問に来ていました。一通りの説明を終え、最後に「物理は問題無いの？」と聞いてみると、「単振動のところなので、公式を暗記します」とのこと。

・・・まあ、仕方ないですよね。私も経験ありますが、いきなり三角関数がどんどん出てくるのですから、「もう暗記するしかないかも」と思ってしまうものです。

けれども「実際に問題を解くときには、そういう公式よりもこういう考え方を使うんだよ」と、オーソドックスな周期を求める計算手順を見せると、眼の色が変わったように興味を持った様子なのです。

「ああ、こうやって”物理嫌い”が増えていくんだろうなあ」と改めて感じました。単振動などはアプローチの仕方を工夫すれば、広く応用できる、ものすごく面白い分野のはずなのです。けれどもそういう面白さを感じる間もなく、延々と公式の暗記に終始してしまう。・・・何だかかわいそうな気持ちになってしまいます。

教育に対して、比較的近くから関わっている一人として、「今の時代で、本当に日本は”科学技術の国”と言えるんだろうか」と心配しています。どうも私達の時代以上に、質の低下が起きているような気がしてなりません。

教育制度の改革も大切ですが、今一度教育の内容や、それをきちんと教える能力開発に、力を入れて欲しいと思いますね。

公式HP　→　２年生に対して